Home TSG 【TSG STORYTELLERS】Still Pushing the Line ― 小西隆文、極限を滑り続ける理由

【TSG STORYTELLERS】Still Pushing the Line ― 小西隆文、極限を滑り続ける理由

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小西 隆文|PRO SNOWBOARDER INTERVIEW

ジャンルの枠を越えて滑り続けるレジェンドライダー・小西隆文。 コンテスト、映像表現、バックカントリー、そして地域活動へ。 スノーボードと共に歩んできたキャリア、そして50代を目前にした今のリアルに迫る。

SECTION 1:小西隆文というスノーボーダー

-小西隆文らしい滑りとは

Q: バンクドスラロームからバックカントリーまで幅広いジャンルで活躍されていますが、ご自身では「小西隆文らしい滑り」とはどんなスタイルだと感じていますか?
A: 僕が目指しているのは、どんな荒れた斜面でもスピードを落とさず、流れるように滑ることです。人が簡単に真似できないラインを描きたいし、可能な限りジャンプも入れていく。そういうスタイルが自分らしさだと思っています。

-コンテストから映像フィールドへ移った理由

Q: コンテストから映像フィールドへ移った理由は?
A: 決められた場所で技を競うより、誰も滑っていない斜面で“自分は何ができるか”を試したくなったんです。人と比較するより、自分の可能性と向き合うほうに魅力を感じるようになり、自然のフィールドへ意識が向きました。

-海外バックカントリーが与えた影響

Q: カナダやアラスカでの経験は、滑りや価値観にどのような影響を与えましたか?
A: カナダやアラスカには、日本ではまず味わえないスケールの地形があって、そこをスノーモービルで何度も滑ることで技術も判断力もかなり鍛えられました。
今はスノーモービルに乗らなくなって10年くらい経ちますが、その分 “1本の重み” を深く感じるようになり、どんな状況でも最高の滑りができるように、普段から意識を高く持つようになりました。

-パキスタン・カラコラム遠征という極限体験

Q: 標高5,000mの氷河地帯でソリを曳きながら100km以上を移動し、超急斜面の山々を滑るというカラコラム遠征は、これまでのキャリアの中でも特別なプロジェクトだったと思います。その挑戦に踏み切った理由と、当時の心境を教えてください。
A: 誘いをもらった時は本当に嬉しかったんですが、紛争やテロのリスクがあると聞いて、今までの遠征とはケタ違いの危険度だと感じました。それでも昔から極地への冒険に憧れがあって、「こんなチャンスはもう来ない」と思い参加を決めました。
自分のスノーボードだけじゃなく、人間としてあの環境にどれだけ適応できるのか……そこにも強い興味がありましたね。

-極限環境での滑り

Q: 高所・極寒・長距離行程という過酷な条件の中で、滑りに対する意識や感覚はどのように変わりましたか?
A: 遠征中は「本当に滑れるのかな?」「あんな急斜面登れるのかな?」と、どこか他人事みたいに考えていました。標高5000m超えのハイクは本当にきつかったですけど、板を履いて見下ろした斜面がアラスカの景色と重なって、自信を持って滑り込むことができました。
滑り終わった後は息が切れて膝をつくほどでしたが、あの環境で自分らしく滑れたことで「積み重ねてきたことは間違ってなかった」と強く感じました。

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-信濃町という環境

Q: 信濃町での生活はライディングやメンタルにどんな影響を与えていますか?
A: スキー場が近く、滑りに集中できる環境が整っていることで、スノーボードは完全にライフスタイルの一部になりました。自然が身近にあることで四季を感じ、心身ともにリフレッシュできています。

-オフシーズンの過ごし方

Q: 夏のサーフィン・スケート・MTBは冬にどう活かされていますか?
A: MTBではスピード感と動体視力、スケートではクイックな動きとパンピングの感覚、サーフィンでは自然との向き合い方を学んでいます。それぞれが冬の滑りに確実につながっています。

SECTION 2:AGE & PHILOSOPHY|年齢と向き合うライディング哲学

-50歳を目前にしても衰えない理由

Q: 第一線で滑り続けるため、日々意識していることは何ですか?
A: 特別なことではなく、自然の中で体を動かし続けること。そして腹筋とストレッチを欠かさないことです。それだけで体はしっかり応えてくれます。

-変化と成熟

Q: 年齢とともに変わったこと、逆に進化したと感じる部分は?
A: 滑る本数は減りましたが、感覚は衰えていません。むしろ年々、滑りの精度や判断力は磨かれている感覚があります。

-メンタルの保ち方

Q: モチベーションや集中力をどう維持していますか?
A: 季節ごとの遊びを楽しんでるから冬はスノーボードに集中出来てるんだと思います。あととにかくスノーボードが面白いんです。

-若い頃との違い

Q: 滑りへの向き合い方はどのように変わりましたか?
A: 若い頃は新しいトリックに挑戦したい気持ちが強かったけど、今は滑走技術そのものに意識が向いています。ライン取りやターンの質、1本のラインにどれだけ集中できるか。そういう部分を大事にするようになりました。

SECTION 3:GEAR|TSG「FOUR」への信頼

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-使用モデルへの信頼

Q: 使用しているゴーグル「TSG Google FOUR」の魅力を教えてください。
A: フレームが柔らかくてフィット感がすごく良いんですよ。それにレンズ交換が本当にスムーズ。マグネット式のゴーグルは風が入るモデルもありますが、これは全くありません。
曇りにくいのはもちろん、湿気がこもった時でもレンズをサッと外して換気できるので、より曇りにくい。FOURを使い始めてから、曇りで困ることが本当に無くなりました。

SECTION 4:FUTURE|これからの挑戦

-これからの目標

Q: 今後の活動や挑戦したいことは? A: 写真や映像を残す活動は続けていきます。それに加えて、海外のように自由度の高いスノーリゾートを日本でも増やしたいと思っています。そのためには滑り手の技術や意識も変わっていくことが必要で、レッスンを通じてそうした部分を伝えていきたいですね。

-年齢に対する考え

Q: 「年齢=限界」という固定観念についてどう思いますか? A: 年齢を重ねると身体のケアに時間はかかりますけど、それはスノーボードだけじゃなく人生全体にも良い影響があるので、しっかりやるべきだと思っています。 自分の身体と向き合い続けて、スノーボードとも向き合い続けていれば、最高の瞬間はまだまだ更新できます。だからこれからも滑り続けたいですね。
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常に新しい景色を求め、極限の環境でも“自分らしさ”を貫く小西隆文。50代を目前にしても進化し続ける姿は、スノーボーダーとしてだけでなく、一人のアウトドアマンとしての生き方そのものだ。
TSGはこれからも、小西隆文の挑戦をサポートし続ける。

小西 隆文:Instagram@takafumi.koni4
Photo by ハートフィルム:Instagram@heart_films

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